
北海道で行われた日本矯正歯科学会の学術大会に参加してきました。
今年は特にマウスピース矯正に関する報告に興味深く接することができました。
透明で目立ちにくい「マウスピース矯正(アライナー矯正)」は、近年とても人気のある矯正方法です。
一方で、すべての方に適しているわけではなく、症例や生活スタイルによっては注意が必要な場合もあります。
今回は、マウスピース矯正のメリットとデメリットをわかりやすく解説します。
メリット
1. 目立ちにくい装置
透明なマウスピースを使用するため、装着していても気づかれにくいです。
仕事中や人前に出る機会が多い方でも安心して続けやすいことが特徴です。
2. 食事や歯磨きがしやすい
取り外しが簡単なので、食事の際に好きなものを食べられます。
また、歯磨きもしやすく、口腔内を清潔に保ちやすいのも大きな利点です。
3. 金属アレルギーの心配がない
マウスピースはプラスチック素材でできているため、金属を使用していません。
金属アレルギーをお持ちの方にも安心して使用いただけます。
4.診療室での治療時間が比較的短い。
従来のワイヤー矯正と比較的すると、ブラケット装着やワイヤー交換がない分、
診療室での治療時間が比較的短くなります。
デメリット
1. 適応できる症例が限られる
マウスピース矯正は、歯の移動量が少ない「軽度の乱杭歯」や「軽度のすきっ歯」、
「矯正治療後の軽い後戻り」などの症例に向いています。
大きな歯の移動が必要な場合や骨格的な問題を伴う場合は、ワイヤー矯正の方が適しています。
2. 使用時間を守らないと効果が出ない
マウスピースは「1日20時間以上」の装着が理想です。
外している時間が長いと、治療が予定通り進まないことがあります。
「自分でしっかり管理できるか」が成功のポイントになります。
3. 小児や骨格性の症例には不向き
顎の成長がまだ残っているお子さまや、骨格性の不正咬合(上顎・下顎の位置に問題があるケース)には
基本的に適応できません。
4. 精密な歯の移動は難しい場合がある
現在の技術でも、マウスピースだけで複雑な歯の動きを再現するのは限界があります。
そのため、治療結果が理想通りにならないこともあります。
マウスピース矯正は、
「目立ちにくく快適に矯正したい」という方にとって魅力的な選択肢です。
しかし、症例によってはワイヤー矯正の方がより確実で精密な結果を得られることもあります。
当院では、日本矯正歯科学会認定医が在籍し、
患者さま一人ひとりの歯並び・骨格・ライフスタイルに合わせた最適な治療方法をご提案しています。
「自分にマウスピース矯正が合うか知りたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
牧野歯科・矯正クリニック
TEL:0564-25-8822
矯正相談はお電話でご予約ください。
第84回日本矯正歯科学会学術大会
【参加者】牧野正,牧野智咲